桜抒曲
遠い記憶に 思いをはせる 潮風の香るあの花畑も やがて色あせて 自分すらも 思い出に変わってゆく 浅い夢のように それはまるで積もらない雪のようにはかなくて 指先で溶けてしまうほどに ささやく声が 風に飛ばされてく 草木の生茂るあの草原も やがて荒れ果てて 自分すらも この世界に消えてゆく 浅い夢のように いつかは結ばれるのだろうか? 足跡すら残らない まっ白な世界のむこうから ほつれた糸をたぐりよせながら いつかはまた会えるのだろうか? 錆びた扉をたたいて まっ白な吐息を感じたい やさしく肩をつつまれたい 願いの叶うあの場所で その時はきっと春の風が吹くだろう やわらかな陽射し あたたかい場所 思い出の桜並木の道 何もかもが変わらずにはいられない日々の中で 苦しさも弱さも 愛に変わってゆく いろんなものがつながってく いろんなものが 光りあふれる未来のために いつかは結ばれるのだろうか? 足跡すら残らない まっ白な世界のむこうから ほつれた糸をたぐりよせながら いつかはまた会えるのだろうか? 錆びた扉をたたいて まっ白な吐息を感じたい やさしく肩をつつまれたい 願いの叶うあの場所で あの場所へ運んでゆく 新しい芽吹きの風が 春の風が |